今日から6ヶ月前の真っ昼間に、私たちは場違いなところにいた。
せっかく二人きりになったというのに、つたんは冷蔵庫を開けたり閉めたり。
せわしく動いて、ふたりきりの緊張空間を避けていた。
つたんが長年彼女といた部屋を慣れた様子で行き来する姿をみながら、
まだこの部屋がホームタウンのこの人と本当に付き合っていけるのか、
そんな人を変わらず好きでいれるのか…
とにかくこの期におよんで時期尚早な気がしてきていた。
でも私はやっぱりつたんが好きだった。
時期尚早でもいつか付き合うんなら、もうもどかしい時間を過ごすのも無駄だ。
そう考えたところで私はつたんを呼んだ。
「好き」と言いやすいように、呼んだ。
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あのときは本当につたんが好きだった。
今ももちろん好きだけど、もう「好きな人」ではない。
私の日常になくてはならない人…?
一緒に人生をつくっていく人?
幸せをつくってあげたい人?
どれも近いけど、どれもピシャリではない。
でも一緒にいれないのに、6ヶ月前と変わらず、つたんは私の頭の中を陣取って動こうとしない。
そして、そのたよりないつたんの声を聞くと、不思議と気持ちが一気に落ち着く。
私は、そんなきみが泣きたいときのための駆け込み寺でありたい。
